経済的困窮で親子共倒れとなる「8050問題」について

社会との接触を断ち、仕事もせず自分の部屋から一歩も出ない、いわゆる"引きこもり"の若者が増えていることは周知のとおりだと思います。
ところが、引きこもりが長期化すると、若者個人だけではなく家族全体にまで悪影響を及ぼすようになります。今回は、巷で聞かれる「8050問題」というキーワードとともに、引きこもりという社会問題について触れてみます。

終わりの見えない扶養が続く「8050問題」

「8050問題」は「80代」の親が「50代」の子どもを経済的に支える必要がある状態を指します。子どもは親の金が主たる収入源になります。

本来ならば、仕事はすでにリタイアして子どもや孫に支えられながら余生を送るのが一般的でしょう。
ところが8050問題を抱える家族の場合、子どもをいつまでも親が扶養しなくてはなりません

引きこもりを放置し続けた結果、問題はより深刻に

親が現役世代ならば収入もある程度は見込めるため、引きこもりの子どもを養っていくのはそう難しくはないでしょう。しかし定年を迎え、
経済的にも体力的にも衰えた状態で、昔と同じような生活レベルを子どもに提供し続けていくのは、どう考えても現実的ではありません。

子どもからしても、「困ったら親がお金をくれる」という現実を一度味わってしまったため

自分の両親が衰えていく姿には気づきにくいもので、何の危機感も持たず、この生活が未来永劫続いていくという幻想から逃れることができなくなります。