医学博士と専門医、どっちのほうが「偉い」のでしょうか
覆面ドクターのないしょ話 第15回
教授に認められなければ、医学博士にはなれない
まず医学博士だが、意味するところは「研究者」ということだ。「博士号」「学位」ともいう。取得システムは他の学部と異なり、大学院に行っても行かなくても取得できる。医学部の大学院には2年の修士課程はなく、4年の博士課程のみである。
医学博士になるためには、大学に籍を置きながら医学について研究し、学会発表を重ね、論文にまとめる。その後、複数の教授の面接を受け、合格したら、さらに外国語試験をパスしなければならない。
私たちの時代は英語とドイツ語が必修だったが、現在は英語だけの大学が増えた。
外国語試験をパスしたら、担当の教授から「君を医学博士にしてあげる」と認められて初めて大学から医学博士の資格が授与される。
つまり医学博士は大学病院にいなければもらえないということだ。医学部を卒業後すぐに市中病院に就職したり、実家の病院に戻ってしまうと医学博士にはなれない。