「なぜこのA法を選んだのか説明して下さい」
「〇〇だからです」
「違うなぁ……」
「△△の理由もあります」
「全然ダメ! 他の理由は? 正直に」

 後輩の脳裏に、私のアドバイスが浮かんだ。

「うちの教授が……A法にしろと……」
「何だと! 君は教授が黒だって言ったら、白いものも黒いって答えるのか? 白い鷺を見て黒い烏だって答えるのか?」

後輩は散々な目に遭って、泣きそうになりながら面接室から出て来た。