0006名も無き冒険者 (ワッチョイ 3188-4H+m [118.105.72.80])
2018/02/20(火) 19:27:03.32ID:3vNcAY6Q0アイツが俺を戦車の道に誘ってからというもの、俺達は毎日死にものぐるいで戦車に乗った。
KV-1と言う化け物にぶつかった時は初心者ながら弱点を研究し、やがてはE75やMausも対処できるようになった。
今日は乗らなくてもいいか、と思った時も、おもわぬ壁にぶつかりキツかった時も、「アイツがいるから」という理由で何とか続けてこれた。
気付けば俺はアイツの戦績を遥かに凌駕し、ユニカムと呼ばれる存在になっていた。
その頃からアイツに元気がなくなっている事に気付いたが、俺に嫉妬しているのだと思いなおさら気分が良くなった。
しかしある日から、アイツがWoTに姿を現さないことに気がついた。どうしたのか理由を問いかけてみても返事は帰ってこない、何とかWoT界のツテを使ってアイツのことを知ることが出来た。
交通事故で亡くなったと言う。死ぬ直前まで「戦車に乗りたい」と言い続けていたらしい。
俺はWoTをこのまま続けるか迷った。アイツがいない今、戦車に乗る意味はあるのか自問自答を繰り返した。
そこで俺は一つのことに気がついた。「アイツがいなくなったからこそ、アイツの分まで戦車に乗り続けるべきじゃないのか」気づいたら俺はPCの前に座っていた。俺に迷いはなかった。大切なものをくれたアイツに唯一の恩返しとして戦車に乗り続ける。
「今、行くぞ」
待たせて済まなかったな、天国で俺のことを見ててくれ
全ての戦車乗りに捧げる
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