そんなことより聞いてくれ

俺は地元を離れたことは無い
学生時代ガリ勉太郎で童貞非モテ
クラスの4番手グループの
次鋒レオパルドンだった
徐々に成り上がり超エリートになったがその過去の自分を認めたくないので
学校を卒業する度に
それまでの友達とは遊ばなくしていた

切ってきたという偉そうに上から目線で言う気は無いが
過去のショボい俺を知ってる人間は
未来の俺には不要と考えてきた
当然成人式なんて行くわけもなく
家でFFやってた

ということで、40年近く同じ場所に居るのに同窓会も呼ばれたことなく、(厳密には無視するので呼ばれなくなった)
友達も居ない俺だが
唯一、仕事関係で地元の奴と再会したことがあり彼は唯一現状の俺を認識している そんな彼とも、何回かメールを無視していたら連絡は来なくなった

もう1人、道で声を掛けてきた女の同級生がいた、LINEを交換したが、
勝手に同級生のLINEグループに招待してきたから無視したら、連絡来なくなった

そうやって、平穏な日々を過ごしていたのだが、先ほど残業帰り、前述の男に声を掛けられた 会うなりハイタッチを要求してきた これだからリア充は困る

奴は以前はうちの超大手企業に出入りしていた人身売買会社の営業だったが、今は独立して社長とのこと
仕事は出来る感じだったのでわからなくは無い

男「今週末みんなで会うんだよ!
虹ちゃんもおいでよ!日曜!」

来た、過去を捨てた俺が最も嫌う
いとも容易く行われるえげつない行為

虹「日曜は予定あるんだよなー(番長3打つだけ)」

男「〇○ちゃんと〇○と〇○さんとか、来るよ!」

(おい、その〇○ちゃんは俺が昔惚れてた子じゃねーか)
虹「まじでー〇○とか昔好きだった子かも知れん!笑笑」

男「まじかー笑笑尚更きなよー後でメールくれれば案内贈るよ!じゃねー」
さすがはデキる男 俺がこうやって偶然会ったときはフランクなのに、友達の集まりとかは案内すら無視してきて、距離を取ってることを見抜いている
LINE教えてよとかは言って来ない流石だ

俺は今回もメールを送ることは無いだろう
過去の自分 ださくて、眼鏡で、女とも話せない、根暗マンサー
そんな忌み嫌って、捨ててきたはずの自分を知るもの達

彼等はきっと普通に家庭を持ち、
子供を持っているのだろう
昔好きだった子に会いたい?
エリートになり、貯金4700万になり、
イチャキャバ嬢と焼肉食べて
やべーーー!!コスプレしてきた!!やべーーーー!!とかやっている俺

過去のコンプレックスと
現在のコンプレックス
そんなものを再確認する場に足を踏み入れること無く今週末もレバーと牡丹に向き合っているだろう
心のケロイドを絆創膏で塞ぎながら