関節痛、倦怠感、脱毛はエリテマトーデスの代表的な症状だけど
興味深い情報

>重症例における濾胞外B細胞反応は,自己免疫疾患類似の自己抗体産生を招く.
米国からの報告.すでにCOVID-19のサイトカインストーム(TNFα)は,胚中心の形成を抑制し,ウイルス抗原に対する長期的記憶がB細胞に備わらないことが報告されていたが(Cell. August 19, 2020(doi.org/10.1016/j.cell.2020.08.025)),さらに濾胞外でのB細胞活性化を検討したところ,自己免疫疾患である全身性エリテマトーデス(SLE)で報告されているB細胞レパートリーの特徴と酷似していることが報告された.さらに濾胞外B細胞活性化は,ウイルス特異的中和抗体の早期産生,炎症性バイオマーカーの上昇,多臓器不全,死亡を含む予後不良の頻度と相関していた.つまりウイルス感染→サイトカインストーム→胚中心形成の抑制→@ウイルス中和活性(ただし長期的記憶↓)+A自己抗体産生と考えられる(図3).Aに関して,SLEでは自己反応性の抗体産生細胞が除去されず(免疫寛容がうまくいかず),自己抗体は疲労,関節痛,発疹,腎臓障害などを引き起こす.COVID-19でも感染から回復した患者に長期に生じる疲労や関節痛などが報告されているが(Long-Haul COVID),同様に自己抗体が関与している可能性がある.