私は『人間はいつ死ぬかもしれない』と考えている。

明日、交通事故で死ぬかもしれないし、
食った餅を喉に詰まらせて死ぬかもしれないし、
賞味期限が怪しいサンドイッチで腹を壊して死ぬかもしれない。

貧乏でやけを起こして喧嘩して死ぬかもしれないし、
大金を持ってるやっかみで刺されて死ぬかもしれない。

死は常に自然にそこにあり、日常だ。
だから私たちは過剰なまでに死を恐れるし、
年を取るほど、貧しいほど、そして賢いほど恐れる。

それはたぶん、ありふれたことであり、
庶民を自負するものほど、強く感じ共感しているはずだ。
もしも君が、豊かで、年齢を気にすることがないほど健康で、そして愚かならば、
恐れないかもしれない。

でも私は、そう言った人達に伝えたい。
『私は怖い』
ただそれだけだ。

その言葉を聞いて、君が愚かでないならば、想像してみてほしい。
『恐怖を感じている人たちの気持ち』を

老人の気持ちを
地方に住んでいる人の気持ちを
貧しい人たちの気持ちを

そして、どうか日本人らしい、優しさを持ってほしい。
他人を思いやれる人であってほしい。

私の願いは、ただそれだけだ。