【独占】押谷仁教授が語る、PCR検査の有用性とリスクとの向き合い方
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/07/pcr-4_2.php

まずPCRを急速に拡充すれば、必ずクオリティーが低下する。
クオリティーを担保できないままやると、偽陽性、偽陰性が多く出る可能性がある。
重要なのはいかに精度の高い検査をできるかということ。

それでも、メディアの中にPCR検査絶対論は根強い。
中には、片っ端からPCR検査をして陽性者はどんどん隔離せよという声もある。
おそらく、このウイルスの伝播パターンを理解していない人が全員をPCRせよ、と言っているのだろう。
これは西浦さんの最初のデータで示されたことだが、110人のうち80人くらい、80%近くの人は誰にも感染させていないことが分かっている。
十数%は1人にしか感染させていない。
ごく一部の数%の人だけ、例外的に非常に多くの人に感染させる。
だからこのウイルスは広がっている。
つまり、大多数の誰にも感染させない人をいくら見つけても感染制御にはあまり意味がない。

今われわれが考えているのは、いかにして感染している確率の高い人を選択的に検査していくかということ。
軽症者も含めて感染している確率の高い人を見つけるということは非常に難しいが、例えばクラスターを形成した場にいた人たちは感染している確率の高い人ということになる。
今その辺で歩いている人たちを、ちょっとPCRしませんかと、献血に協力してくださいというような形でやったとしても、これは感染している確率の非常に低い人たちに検査をするということになる。