◆神経合併症(1)COVID-19の回復段階では脳の微細構造や機能の障害が生じ,記憶障害や嗅覚障害に関連する
中国からの前方視的研究.
COVID-19から回復し,感染から3か月が経過した60名と対照39名に対し,
神経症状の有無を評価し,さらに拡散テンソルイメージング(DTI)と3次元高分解能T1WIシーケンスを行った.

結果として,55%(33/60名)が神経症状を呈しており,かつ嗅覚皮質,海馬,島皮質,左ローランド海綿体,
左Heschl回,右帯状回の灰白質増加等の対照群にはない広範囲に及ぶ脳微小構造異常などが見出され,
それらの異常所見の一部は記憶障害や嗅覚消失と相関していた.
以上より,COVID-19の回復段階での評価で,脳の微細構造および機能障害を認めること,
つまり脳への長期的影響が生じうることが示唆された.
EClinicalMedicine. August 03, 2020(doi.org/10.1016/j.eclinm.2020.100484)
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