>>761
なるほど、重症化予防の効果が高いままなのはそういうわけか

>これについては、たとえ抗体価が急激に減るとしても、ワクチン接種はメリットが明確にある、といえます。実は、一度、中和抗体が減ってゼロになったとしても、中和抗体をつくるB細胞は敵(この場合、新型コロナウイルス)を記憶しており、外部から入ってくれば速やかに中和抗体をつくり、対抗します(これをメモリーBセルといい、新型コロナウイルスに限らず、感染症に一度かかった人でよく知られている現象です)。その結果、新型コロナウイルスの感染を予防できなくても、発症や重症化・死亡を防ぐことができます。

 実際、ファイザー社のRNAワクチンでは、2回目の接種から2―4カ月後で90・1 %の発症予防率、4−6カ月後でも83・7 %と報告されています。また、重症化予防率は、2回目の接種から6カ月で96・7 %と報告されています。特に、重症化予防率が高いのは、先に述べたメモリーBセルの働きだけでなく、細胞性免疫の作用によるともいわれています。

 ワクチンのメカニズムには、B細胞が中和抗体をつくってウイルスの感染を防ぐ液性免疫と、ヘルパーT細胞がインターフェロンγなどのサイトカインを産生してキラーT細胞やNK細胞を活性化させ、ウイルスの増殖をきたしている細胞を攻撃して死滅させる細胞性免疫の2つの経路があります(図1)。液性免疫は感染や発症予防効果に関係し、細胞性免疫は重症化予防や死亡予防に貢献していると考えられています。