Q ワクチンを接種することで不妊になるというのは本当ですか
A ワクチンが原因で不妊になるという科学的な根拠はありません(不妊にならないという科学的根拠もありません)
ワクチン接種により流産率は上がっておらず(死産率は上がっています)、妊娠しにくくなるという根拠も確認されていません(しにくくならないとも確認されていません)
新型コロナワクチンも含め、これまでに日本で使用されたどのワクチンも、不妊の原因になるという科学的な根拠は報告されていません(不妊の原因にならないという根拠も確認されていません)
排卵と妊娠は、脳や卵巣で作られるホルモンによってコントロールされていますが、新型コロナワクチンには、排卵や妊娠に直接作用するホルモンは含まれていません(間接的には作用するかもしれません)
また、卵巣や子宮に影響を与えることが知られている化学物質も含まれていません(現段階では卵巣子宮に影響を与えると知られていない化学物質が影響を与えるかもしれません)
動物実験においても、ファイザー社のワクチン、武田/モデルナ社のワクチン共に、接種したラットが問題なく妊娠・出産したことが確認されており、生まれた仔にも異常は無かったことが報告されています(一部のラットは問題なく妊娠・出産しました)

米国でワクチン接種後に妊娠した827人の女性の経過を調べた研究では、ワクチンを接種した人の流産率が自然に発生する流産率を上回ることはなく(死産は増えました)、ワクチンが妊娠に与える好ましくない影響は確認されませんでした(確認できませんでしたが、調査で見逃した影響はあるかもしれません)
また、mRNAワクチンの臨床試験では、ワクチン接種後に妊娠した人がいることも報告されており(妊娠できなかった人も報告されており)、ワクチン接種により妊娠しにくくなるという根拠は確認されていません(妊娠しにくくならないという根拠も確認されていません)

新型コロナワクチンの成分が大量に卵巣に蓄積したという情報がSNSで流れていますが、これは正確ではありません。ファイザー社が報告した動物実験結果において、ワクチンの有効成分であるmRNAを封入している「脂質ナノ粒子」の成分が卵巣にも分布したことが示されていますが、分布した量は投与部位が最も多く、卵巣に特に多く集積したわけではありません。投与後48時間までにおいて、卵巣で検出された「脂質ナノ粒子」の成分は総投与量の0.1%未満です。(※7、※9)。

また、新型コロナワクチンは精巣に影響を与える成分も含まれていません。モデルナ社が報告した動物実験結果では、投与したmRNAが精巣にもわずかに分布することが示されていますが、ファイザー社のワクチンと同様、分布した量は投与部位が最も多く、精巣への分布量は血漿中への分布量と比較しても低く、24〜72時間以内には検出下限未満となっています(※8、※10)。男性においても、現時点において、ワクチン接種が不妊の原因になるという科学的な根拠は報告されていません