分子機能研究所(埼玉県三郷市)の辻一徳(ツジ モトノリ)と民間研究所は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の病原ウイルスである新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染予防において、
国内で一般に流通しているオーラルケア製品に含まれる成分の一部にウイルス感染経路を遮断できる効果を見出し、その成果が2021年9月3日(2021年3月19日プレプリント投稿)、PLOS ONE誌に受理され、2021年9月17日にオープンアクセスで出版されました。
本研究は、オーラルケア製品に含まれる成分がSARS-CoV-2感染経路を遮断できる効果があるとする最初の研究成果として注目されます。


今回の研究では、オーラルケア製品に含まれる成分の一部が変異型も含めSARS-CoV-2の感染経路を遮断する可能性が高いことを民間研究所での実験で確認し、
分子機能研究所の辻一徳が構造ベースインシリコ創薬技術(ドッキングシミュレーション技術)で阻害様式を予測して実験結果を裏付ける根拠を得ることに成功しました。

口腔はウイルスを含む飛沫を直接取り込む入り口であり、感染リスクの極めて高い部位であるため、口腔での感染予防は非常に重要と考えられます。


新型コロナウイルスの表面にはスパイクと呼ばれる突起があり、これが口腔内の細胞表面上にあるアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)と結合することをきっかけに感染がおこります。
ウイルスが人の細胞内に侵入してウイルス複製増殖するためにはスパイクがACE2と結合する位置(レセプター結合領域:RBD)で別の酵素(TMPRSS2)によって切断されることが必須過程で、
オーラルケア製品に含まれる成分の一部が、ACE2とTMPRSS2の両方に対して阻害活性を示すことが分かりました。


* 「使用上の注意」を守って適切にオーラルケアを行ってください。
オーラルケア製品を長時間口腔内に留めるような使用はかえって口腔内粘膜を傷つける可能性があります。

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2021.10.05 09:30
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