>>783

https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00005/032600173/
国産ワクチン、なぜ出てこない? 塩野義・手代木社長に聞く

そして、後発組にとって厳しい状況が生じます。ファイザーなどのワクチンが急ピッチで進んだことに加えて、現時点で分かる範囲のデータでは、高い有効性が確認されたことです。その結果、後発組が治験のフェーズ3(第3相)に必要なプラセボ(偽薬)との比較をする大規模試験を実施することが難しくなってきています。

フェーズ3を実施する代わりに、例えば、フェーズ1、2を経て一定の規模感でテスト投与をしてみて安全性を確認する。そして、ウイルスをなるべく無毒化する中和抗体とウイルスを排除しようとする細胞性免疫がきっちり機能していることを確認したうえで、接種後の副反応や、発症した人の状況を細かくデータを取ってモニタリングすることを条件に仮承認するといった対策が必要ではないでしょうか。

 さもなければ、残された手段は「チャレンジ試験」くらいしかありません。これは意図的にウイルスに感染させて、ワクチンを打った人とそうでない人を比較するという試験です。これも1つの選択肢だとは思いますが、本当に切れ味のいい治療薬がまだない中で、どこまで現実的に可能なのか。英国はチャレンジ試験を許可しましたが、背景にはそこまでしなければ新しいワクチンが出てこないという危機感があります