免疫学の権威が最新データを解説
宮坂 昌之
「ADEに対しては、今後はもう少し警戒の念をもって見ていくべきかもしれません。
大阪大学・免疫学フロンティア研究センターの荒瀬尚教授のグループが、
ADEを引き起こす可能性のある悪玉抗体に関する興味深い論文を発表しました。
新型コロナウイルス重症者の多くには、
感染を促進する抗体(=私がいう悪玉抗体)が多く存在したのです。
中和抗体が結合するエピトープ(抗原決定基)をほとんど持たずに、
もっぱら感染促進抗体が結合するエピトープを持つ変異株が出現すると、
ワクチン接種によって生まれた少数の悪玉抗体を中和抗体で抑えられなくなるので、
ADEが起きる可能性があります。
すでにファイザーやモデルナは、デルタ変異株に対応した改良ワクチンの開発に着手しています
改良ワクチンは期待が持てそうです」