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夏目漱石『草枕』 現代的解釈

僕らの住む人の世は窮屈で住みにくい。

よく頭を使ってうまく立ち回ろうとすれば「せこい」とか「ずるい」とか「要領が良いだけ」とか「八方美人」とか「信用できない」とか「自分のことしか考えてない」とか「卑怯」とか言われてしまうし

感情に流されてしまうと反対に騙されたり、人目を気にしすぎてビクビクしてしまったり、自分が良い目にあうことに罪悪感を抱いてしまったり、関わるべきでないことに関わってしまったりして損をしてしまう

じゃあもう良いや自分は自分らしく生きよう、自分はこう思うからこうするんだと言い張って、自分を尊重しようと思ったらヒンシュクを買うばかりでかえって窮屈極まりない。

もぅどないせっちゅうねん…人の世はルールブックの用意されていないゲームで、都度ルールが変わるゲームで、みんな勝ちたくて勝ちたくて仕方ないのに誰も勝っちゃいけないゲームみたいだ。

じゃあそんな煩わしいルールのないところへ行こう。そこにはルールがないから…ああそうか、みんなやりたい放題でやったもん勝ちの弱肉強食の世界だ。

そんな殺伐とした世界よりは、人の世の方がいくらか住みやすいに違いない。