日本に暮らす外国人は約280万人。社会を共に支える欠かせない存在であり、行政や学校は「多文化共生」の理念を掲げる。

だが、公立の小中学校、高校では、外国籍の教員は管理職になれず、日本人と異なる待遇を強いられている。「差別をなくそう」と子どもたちに教える場だからこそ、国籍による「壁」をなくしたい。当事者たちの闘いが続いている。>>295









 「教員自らが差別や偏見の問題から腰を引いてしまったら、いじめなどの問題を解決できるでしょうか。子どもたちにも示しがつかない」。東京都の区立中学校で教壇に立つ在日コリアンの金竜太郎(キム・ヨンテラン)さん(48)がそう強調した。

 8月5日、金さんを含む各地の在日コリアン教員が市民団体メンバーらと共に参院議員会館を訪ねた。文部科学省と外務省との直接交渉に臨み、国籍による差別的な待遇をなくすよう訴えるためだ。

 法律上、外国人が地方公務員になる権利を制限する規定は存在しない。しかし、多くの自治体が採用試験の受験を認めなかったり、特定の職種や管理職への任用を制限したりしている。

公立の小中学校、高校では、外国籍の教員は管理職になれず、日本人と異なる待遇を強いられている。「差別をなくそう」と子どもたちに教える場だからこそ、国籍による「壁」をなくしたい。当事者たちの闘いが続いている。>>296

 「教員自らが差別や偏見の問題から腰を引いてしまったら、いじめなどの問題を解決できるでしょうか。子どもたちにも示しがつかない」。東京都の区立中学校で教壇に立つ在日コリアンの金竜太郎(キム・ヨンテラン)さん(48)がそう強調した。










 公立校の正規教員については1991年、当時の文部省が外国籍者に全国で採用の門戸を開くよう通知した。大きな前進のように見えたが、同時に差別的な待遇を固定化する内容も盛り込まれていた。