>>71大会組織委員会の高橋治之元理事が受託収賄罪で起訴された紳士服大手「AOKIホールディングス(HD)」を巡る事件では、AOKIHD側が高橋元理事らとの会合の録音や面会記録を残しており、東京地検特捜部が立証の柱に据えているとみられる。捜査の過程では、組織委元会長の森喜朗元首相(85)の存在も浮かび、慎重に捜査を進めている模様だ。

 関係者によると、元理事とAOKIHDの青木拡憲(ひろのり)前会長=贈賄罪で起訴=は、元理事が経営していた東京都内のステーキ店などで頻繁に会合を開き、青木前会長の部下が同席して会話を録音したり、面会記録を作成したりしていたという。

 こうした会合の中で、元理事はAOKIHDがスポンサーに決まる前の2017年7月に青木前会長を森元会長に紹介し、この際の録音も残されていた。同社側があいさつすると、森元会長が冗談を言うやり取りも含まれていたという。会合には現職の自民党参院議員やデザイナーも参加し、五輪選手団の公式制服に関する話題も出たとされる。ただ、出席者から同社のスポンサー内定を示唆するような決定的な発言はなかった模様だ。

関係者によると、元理事とAOKIHDの青木拡憲(ひろのり)前会長=贈賄罪で起訴=は、元理事が経営していた東京都内のステーキ店などで頻繁に会合を開き、青木前会長の部下が同席して会話を録音したり、面会記録を作成したりしていたという。

 毎日新聞は8月10日に森元会長の事務所にこの会合への出席が事実かを質問したところ、代理人弁護士から「出席した事実はない」との回答があった。 

だが、同22日に録音の存在を示して再質問したところ、「捜査に支障をきたす恐れがあるため回答は差し控える」と変更した。
 また、会合に同席したとされる参院議員にも事務所を通して事実関係を問い合わせたところ、同26日に「捜査に関わることなのでお話は差し控えさせていただく」と回答した。