山中におびただしい数の靴が散乱する。靴の持ち主は近隣住民たち。そして、”窃盗犯”は、あの動物―。
2017年夏、兵庫県丹波市春日町黒井区で、野生の「キツネ」が民家の軒先などにある靴を盗み、
ねぐらにくわえて帰るという“キツネ靴泥棒”を報じた。
約3年が経過したが、程度の差はあれ、今も被害が出ているという。
今年も住民から記者のもとに「靴を盗まれた」という情報が寄せられた。
ねぐらとみられる山を確認してみると、ざっと200足以上が散乱。再び”事件”に迫った。

数年前、地元の自治会長を務めていた際、地域で靴がなくなる事案が頻発。
当初は誰かのいたずらという説がもっぱらで、被害を駐在所に届け出た人もいたという。

キツネの生態に詳しい麻布大学の塚田英晴准教授によると、
「親ギツネが、子ギツネに餌として与えていると勘違いしていると考えられる」という。
靴には当然、人の足のにおいが付着し、その油分が微生物によって分解される。
それはタンパク質が腐ったにおいに近く、食べ物と間違えて盗んでいると考えられるそう。

記者が現場に到着すると、ねぐら周辺を中心に大量の靴を確認。
子ども用、大人用を問わず、スリッパ、運動靴、ブーツ、野球ボールまである。新品同様の靴もちらほら。
とりわけ目立つピンク色のスリッパが目に入り、近づいてみると、「食品加工科」の文字とともに、手書きで女性の名前が書いてあった。
この低い山の向こう側にある高校の生徒のスリッパだ。

今年3月に同高校を卒業したという”被害者”のAさん(19)は、ねぐらから500メートルほど離れた場所で暮らしていた。
スリッパの写真を見せると、「私のです」と笑った。

Aさんによると、卒業後、自宅の庭で家族が履くために勝手口付近に置いていたところ、2足とも盗まれたという。
「私はあんまり履いていなくて、なくなったことも気付かなかったくらい」と話し、
「こんなことで取材を受けることがびっくり」とほほ笑んだ。

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https://news.yahoo.co.jp/articles/64e7ba3a62badc6b3d58a394c616ffa66ac27bd9
 
何足か盗んで食べれない物って学習とかはしないのかな
キツネって案外頭悪い?