あの戦争の続きは、もう始まっている。
神々は欲望の殻に七つの光を焼き付け、己の権力が及ぶものであると世に知らしめた。
しかし、俗世の底では残骸が燃え尽き、僭越者へ警告する。
神の座は、汝の為のものではないと。
僭越者よ、ここで足を止めるな。
誰であろうと高みの見物などできない。
見よ──

 ACT.PROLOGUE モンド
 風を捕まえる異邦人
千年の自由の都を守った巨竜は、自由に戸惑い始める。
自由の神に命じられた自由は、本当の自由であると言えるのか。

 ACT.T 璃月
 久遠の体との別れ
衆目の中で、契約の神は殺された。
その最期の時に、彼は全てを終わらす契約を結ぶのだろう。

 ACT.U 稲妻
 千手百眼の浮世
将軍は不滅で、幕府の鎖国も永遠なるもの。
永遠を求める神は、人々の眼からどのような永遠を見出したのか。

 ACT.V スメール
 虚空劫灰のプラーナ
知恵は知恵の神の敵。知恵は無知の海に浮かぶ餌。
学城の学士が為した愚行に、神の知恵は異論を唱えなかった。

 ACT.W フォンテーヌ
 罪人の円舞曲
正義の神は、法廷の茶番の一切を愛し、神々への審判さえも求めた。
されどそんな彼女も知っている。天理を敵に回してはならない事を。

 ACT.X ナタ
 灼烈の反魂の詩
争いの規律、生きとし生けるものの中に刻まれ、敗者は戦火の灰に、勝者は再び燃え盛る。
戦争の神がこの秘密を旅人に教えたのは、相応の理由があるからだ。

 ACT.Y スネージナヤ
 神に愛されぬ雪国
彼女はもう人に愛されない神。彼女はもう人を愛さない神。
人々が彼女に仕えるのは、天理に反逆の旗を掲げると信じた為。

始まりも終わりも無い永遠の中、人は夢の無い安寧の一生を過ごす。
されど神の視線の届かない所で、誰かが夢に飢えているのだ。

 ACT.▞▟ カーンルイア
 まだ見ぬ夢
人には人の誇りがある。我々は神に選ばれし者から零れ落ちた残滓ではない。
世界の外から我々は世界を拒否する力を得た。

今、天地に踏み切った者よ。貴様の旅は終わりを告げようとするが、貴様はまだ最後の扉を開けていない。
その旅の意味を理解しているのならば、前に出よ。
俺を倒せ、道を開けろと命令しろ。俺なんかよりも、貴様が彼女を救うに相応しいと証明してみせろ。
そして、全ての運命を新たに紡げ。

俺は殆どの記憶を失くした。だが、どうしても忘れられない事がある。
彼女も、この花が好きだった──