「こんにちは。ゲーム開発部の、才羽さんの、えっと…お姉さんはいらっしゃいますか?」

「はいはい、妹なら今…って、私に用ですか!?」

ゲーム開発部の新作「TSC2」が予期せぬヒットを遂げて以来、開発部は多忙を極めていた。
女子高生4人が制作したゲームということで、必要以上の注目が集まってしまった。ゲームのコミカライズやメディアミックスの提案の他、バラエティ番組への出演依頼まで、様々なオファーが殺到していた。
中でも、部長のユズとキャラクターデザイン担当のミドリが特に注目を集めていた。

メインシナリオを担当したモモイは、癖のある筆致でコアなファンからの評価は得ていたものの、二人のような華々しい扱いには至っていなかった。

そんなモモイにとって、愛読していたゲーム雑誌からのオファーは予想外のことだった。一歩遅れはしたが、これで二人に肩を並べられる。そう思うと胸が躍った。

「インタビューかな?コラムの連載かな?漫画の原作かなぁ!?」

そんな想像を膨らませながら、モモイは来客用の茶を注いでいた。

「それでは才羽さんには是非、弊誌の表紙デザインを――――」