あるところにジョンと言う少年がいました。彼には尊敬するパパと愛すべきママ
働き者のお手伝いのバーバラ、そして最近生まれたばかりの弟のサムがいます。
ある日ジョンはパパに資本主義ってなに?と質問しました。
するとパパはこう答えました。

「良い質問だねジョン。じゃあ分かり易いように私達ファミリーに例えて説明しよう。
 まずパパ、ママ、お手伝いのバーバラ、ジョンそしてサム、私達ファミリー全体を
"社会"としよう。
 パパは一家の主であり何かハプニングがあった場合
責任と勇気を持ってその対処をしている、言うならば"政治"を担当しているんだ。
次にママはお金の担当、"金融"だ。
社会(ファミリー)がパンクしないようにお金の流通を多すぎず少なすぎず
管理している。パパが仕事を出来るのもママがいるからこそなんだ。
そしてお手伝いのバーバラ、彼女は"市民"だ。社会で働く事で賃金を得て生きている。
バーバラのような労働者がいるからこそ、社会は動いているんだ。
パパ、ママ、バーバラ皆がしっかりと機能する事で社会はより良くなり、
その流れは安定し未来へと繋がる。この社会の流れ自体を資本主義と呼ぶのだけれど
この流れの結果生まれてきたジョン、サムこそ資本主義と言って良いとパパは思う。
分かったかな?」

ジョンにはそれでも難しかったようで曖昧な返事をするのがやっとでした。

その夜遅く、トイレに行こうと起きたジョンは書斎に明かりがついている事に気がつきました。
こんな時間にどうしたんだろう?と疑問に思い書斎を覗くと
パパがお手伝いのバーバラに覆い被さり腰を振っているではありませんか!!
驚いたジョンはママに報告しようとママの寝室に向かいました。
ママもまだ起きているようですが本棚の方でゴソゴソと何かを探しています。
不思議に思ったジョンが見ているとママは本棚の隅から自分のヘソクリを取り出して
嬉しそうに数え始めました。ジョンはビックリしました。
なぜならジョンがオモチャをねだった時には「そんなお金は無い」と
言われていたからです。あのお金があったなら何十個も買える筈なのに!
気分が悪くなったジョンが自分の部屋に戻ると一緒に寝ていたサムが泣き出していました。
見るとウンチを漏らして泣いているみたいです。
段々とイライラしてきたジョンはオシメも代えてやらずに布団の中に潜り込んで寝てしまいました。

翌朝、ジョンはパパにこういいました。
「お父さん、ボク資本主義がどういうものか理解したよ!」
「ほぅ、それは凄い、どう理解したのかパパに教えておくれよ。」

ジョンは得意満面にこう言い放ちました。
「政治は市民を食い物にし、金融は自分の資本を増やす事しか考えていない。
 皆自分勝手に生きている。
 資本主義なんかクソッたれ!」