「何だかおウチに帰ってきたみたい!」

安心院は長期のトランスポーター任務からロドスアイランドに帰還したばかりだ。
目の前には同じ長期任務に出ていたプロヴァンス、そしてマッターホルンの作ったご馳走が並んでいた。
「余った食材なんだけど口に合うかな?グムちゃんも手伝ってくれたから後でお礼を言ってくれると喜ぶと思うよ」
テラの過酷な大地では滅多に食べられない具沢山のシチューや甘味を口にしながら、(余った食材だなんて…)と安心院プロヴァンスは笑って頷いた。

沢山食べて眠くなった安心院だった。
プロヴァンスと別れ、お風呂に入るか、このまま部屋で寝てしまおうか迷っている。
部屋にはきっとクリーニング済みのお布団が待っている。
でも、
(ドクターに…挨拶したいな…)
彼女は「もしもばったりドクターに出会ったら」と乙女な想像をしつつ、ニオイを落とすために大浴場に向かうのであった…




「陰鬱なところですね〜」
難民収容用の4人部屋で独り冷めたスープを食べながらアルケットは呟いた。
実のところ部屋を調整するため一時的にこの部屋を与えられただけだったのだが、前述の悪態を付き、その際ブレイズと揉めてしまい「和を乱す」として暫くはこの部屋があてがわれる事となったのだ。
あっという間に噂は広がり、バグパイプやグラニが溶け込めるように苦労しのだが性格が祟り孤立している。
食堂で独り食事をするのもプライドが拒否し、食堂で夕食を受け取った後長い距離歩き部屋で食事をする。

このスープは温かかったのだ。それだけではない、ロドスのメンバーは暖かかった筈なのだ。
それを冷ましたのは他ならぬ自分である、しかしアルケットは認める事はないだろう…