…帰ってきて私の顔を見るなり、そう露骨に嫌そうな顔をするな、W。まだ何も言っていないだろう。
違う、そうではない。君が長期休暇を取得したことも、その目的についても、問い詰めたり責める意図は無い。
「クソババアの件」も根に持っていない。
通常、長期休暇を申請するオペレーターには、休暇中の行き先を書かせている。何かあった際に行方不明では困るからだ。
君は私に睨まれていると思い込んでいるようだが、これは単なる全職員に共通の規則に過ぎない。
行き先は…チェルノボーグ6区だったな。
あそこはチェルノボーグ市内でも特にレユニオンの活動が活発だった地域だ。
…だから違う、落ち着け。君の古巣がどうであれロドスは関知しないし、無用な嫌疑もかけはしなない。
だが、いくら君が露悪的な態度をとろうと、近くで接している人間には伝わるものだ、W。
かつてのレユニオン構成員が無事に生活できているかどうか、定期的に顔を出して確認しているのだろう?
そう分かりやすい挑発などされなくとも、他人のプライベートを言い触らす趣味は元から無い。
聞くんだ、本題は宿舎の件だ。
君は「根無し草の傭兵に宿舎はいらない」と居室の所持を固辞し続けているが、日常的に仮眠室で寝泊まりされると困ると匿名のオペレーターから苦情が来ていてな。
君がどう考えているかは知らないが、少なくともロドスは君のことを仲間と認め、ほかの職員と同等の待遇を与える準備がある。
狭い艦内だ、個室とはいかないが仮眠室よりは幾らかマシな宿舎を君に割り当てる事になった。
同室は誰か、か。君がロドスの職員に多少なりとも関心を持つようになってくれて、正直なところ安心しているよ。
君が"休暇"から帰ってくるのとほぼ同時に、非公式の長期任務から帰還した前線オペレーターが3名いる。
君には彼女らと同室になってもらう。
名前は——スカジ、スペクター、グレイディーアだ。

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