刻晴が普段使用している霧切は、旅人が彼女のためにとプレゼントしたものだ
旅人とのデート(精鋭狩り)や海灯祭での花火デートなど、大切なことが思いがこめられている
「ちょっと!…これ私にくれたのよね?…
あっ!私の宝物取らないで!」
その片手剣をぎゅっと胸に抱え込み、刻晴は旅人に懇願する
聖遺物を取り上げられ、もはや彼女にはそれしか残されていないのだ

しかし、旅人は当然のように彼女を無視し、刻晴から片手剣を取り上げ新たな仲間のために刻晴の霧切を分け与えた

「…ひどい、ぐすっ…、私にくれるって、普段のお礼だって、だから」
それ以上言葉を続けられず、刻晴は旅人の足元に抱きつき嗚咽を漏らす
代わりに上から投げ捨てられるように渡された片手剣はホコリまみれの田中剣だった
満足げな表情を浮かべながら旅人はそんなことにも気を留めず
抱きついてくる刻晴を投げ飛ばす様に職場に押し込めて新たな仲間と共に旅に出るのであった

「ぐすっ…痛い…

……うわぁぁぁん!」

刻晴は一人静かな反省室で泣いていた
その窓からは他の仲間と楽しそうに旅に出ていく旅人が見えていた

「私…また旅人とデートしたい…」