基本は「仕様にマッチする特質でないとキャラクターが活きない」ことだと坂本氏は語る。例えば、プレイヤーとキャラクターが一対一で会話するシーンにおいては、無口で清純なキャラクターの魅力は引き出せない。ライターは常に仕様を意識して、そのキャラクターの魅力を引き出す、あるいは、魅力的に描けるキャラクターを企画するのが大切なのだ。

続いて、シナリオを書くにあたっては、最初に「呼称表」と「テキスト文字数」を必ず準備すべきだと強調した。「とりあえず書き始めよう」「あとで調整すればいいや」という軽い気持ちで準備を怠ると、後に大混乱や厄介なバグを招いてしまう。実際、坂本氏は仕様変更に伴って改行を入れ直すだけで2ヵ月かかったことがあるそうだ。