「咲希、入るぞ」
「お、お兄ちゃん……」
「隣座ってもいいか?」
「……うん」
「ありがとう。……一歌から聞いたぞ。寧々と大喧嘩したんだってな」
「……知らない。あんな子、お友達じゃないもん」
「そうか。ところでなんだが、咲希はオレがえむの話をしてる時、どう思う?」
「え?えーっと、お兄ちゃんたちが楽しそうでアタシも嬉しいなって思う、かなぁ…」
「うん。オレもそれと同じで、咲希と寧々が遊んだ時、咲希から話を聞くのも、寧々から話を聞くのも大好きだぞ」
「……!」
「また楽しい話を聞かせてくれると、オレはとても嬉しいんだがな」
「お兄ちゃん…分かった。アタシ、ねねちゃんにごめんなさいして、もう一回友達になる!」
「!そうか!それはよかった!!」
「あっでも……ちょっと不安なの。ねぇお兄ちゃん、今からねねちゃんに電話するから…そばにいてくれる?」
「勿論だ!咲希!やっぱりお前は最高の妹だ!!!」
「ううん!お兄ちゃんが元気づけてくれたからだよ。お兄ちゃん大好き!」

ジー…キュイーーン……
「寧々と咲希くんは無事仲直りできそうだね。天馬家に付けた盗聴器が役に立って良かったよ。そう思わないかい、えむくん!……えむくん?」
(司くんにとってあたしは…ただの友達なんだ…そう、だよね、あはは……)