ぼく「い、いのりん!!」
いのりん「………?」

相変わらず反応が薄いいのりん
だけど、半年も一緒にいるとその沈黙だけで彼女が何を考えてるかだいたいわかるようになるのだ!!
いや、だいたいは言いすぎた。少しはわかるように…もしかしてほんのちょっと…

ぼく「い、いいいいのりん!!!」
いのりん「…どうした、ぼくさん?」

澄んだ声。耳に響き渡る静かな美声
彼女の声を聴くだけで、ぼくの脳はもう幸せになっている…


ぼく「そ、その…今夜なんだけどさ…食堂で2人きりでごはん食べた後………」
いのりん「………?」

頑張れ…
頑張れ…ぼく!!

ぼく「か、かかか…カンタータの部屋の鍵!!借りてきたんだ!!!………2人で、一晩過ごさない?」
いのりん「…………ッ!!」


それは、あまりにも直接的すぎる誘い
ぼくたちの間では、今夜めちゃくちゃセックスしようぜ!と誘っているにも等しい誘いだった



流れる沈黙

1分経ったか?
5分か?
下手したら10分経ったか!?

それほどまでに長い間、沈黙が続いたあと…
ふいに、彼女の首が縦に振られ…



いのりん「………」コクン
ぼく「いっ、いのりん!!!」

ぼくは嬉しさのあまり、いのりんに抱きついていた


いのりん「………!!いっ、いきなり抱きついてくるなっ…そういうのは…部屋に着いて…から」
ぼく「へ、部屋に着いたら…いくらでも好きにしていいの…かな?」
いのりん「………」カァ〜

無言の肯定
赤面するいのりんはすごく可愛い…

ぼく「じ、じゃあさ。とりあえずごはん食べに、行こっか?」
いのりん「………、ああ…」

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