「東雲くん、プレゼント選ぶの上手だよね」
「そうか? まあ、そう言われると……こはねが好きそうなモンって考えたら結構すぐ決まったから、そんなに悩むこともなかったな」
「へぇ、すごいな……。ちゃんと『これが好き』って言ったことなかったのに、それでぴったり当てちゃうなんて」
「あぁ……その辺はバイトの接客で、ある程度鍛えられてたからってのもあるかもな」
「えっ、お客さんの好みもそんなにすぐわかっちゃうの?」
「そうだな……お前、服とか買いに行って、視線感じることねーか?」
「視線?」
「ああ、ショップ店員つーのは客のこと観察して、どんな服装しててどんなステータスの人間なのかとか、どこで足を止めてどの商品に興味持ってるとか、そういうとこ見てんだよ」
「そっか。私も、なんか見られてる?って思う時あるけど、そういうことだったんだね」
「見られてるって意識させないことも大事だけどな。それと、客と目が合ったら笑顔で会釈すんもの忘れず……って、この話はもういいか」
「ふふっ、東雲くんってそういうの得意そうだよね。教えてくれてありがとう」
「おう。つっても、最後は仕事の話になってたけどな」
「ううん、今の話を聞いてわかったよ」
「今のでなんかわかったのか?」
「東雲くんって、実はこっそり私のこと見てたんだなぁって」
「そうは言ってねぇ」
「じゃあ……じっくり?」
「いや、あのなぁ……」
「えへへ、冗談だよ」