「だから!いい感じのお店見つけたからちょっと寄るだけじゃん!」
「そう言ってあと何件まわる気なんだよ!荷物ばっか増やしやがって…!これ以上やったら全部置いて帰るからな」
「なにそれ!か弱い姉を置き去りにするつもり?」
「知るか。1人で喚いてろ」
「ちょっと待ったぁぁあ!!」
「うわ、なにこの人!?」
「げっ司センパイ…!?なんでこんなとこいんだよ…」
「おい彰人!!赤兎馬の役を果たしたお前ならこれくらいなんてことないだろう!!それにさっきから聞いてれば実の姉になんてこと言うんだ!!」
「センパイには関係ねーんで。関わんないでもらっていいすか?」
「そ〜なんですよぉ〜この子、弟なのに私に酷いことばっかり言うんですぅ〜」
「バカお前面倒なことになるから巻き込むなって…!」
「なんてことだ…ケンカする姉弟など見てられん!彰人!荷物ならオレも協力して持ってやる!!だからまずはお姉さんにごめんなさいするんだ!頼む!!」
(あーもう埒が明かねーな)「わかりましたよ…おい絵名、その…悪かったよ。これでいいだろ」
「ふん、最初からそう言えばいいの。まぁ特別に許してあげる」
「うむ!!お互い納得したようだな!!オレも嬉しいぞ!!」
(くっ、コイツらの態度は癪に障るが…とりあえずこの場はやり過ごせそうだ)
「では最後に仲直りのハグをして一件落着だ!!」
「!?」
「はぁ!?なんで彰人とそんなこと…」
「当然だろう!!オレも妹と仲違いしたことがあるが、仲直りできたときは思わず号泣して抱きついてしまったからなぁ…きっとお前もそう思うはずだ!!」
「ちょ、彰人!なんなのコイツ…!」
「だから巻き込むなっつたろ!」
「こんなことになるとは思わないじゃん普通!」
「なんだなんだ!?またケンカか!?」
「ちげーよ!」「ちがうから!」