(うぅ、もう夜中だけどトイレ行きたくなってきた……草むらでするのいまだに慣れないんだよなぁ)ゴソゴソ
「むっ、家から誰か出てきたと思えば志歩か!」
「どうも。今は司さんが火の番ですか」
「うむ!志歩こそどこに行くんだ?もうみんな寝てる時間だろう」
「べ、別にどこでもいいじゃないですか」
「いいわけあるか!今日は花里が恐竜の足跡を見つけたそうだからなぁ……志歩をひとりにして危険な目に遭わすわけにはいかん!」
「うるさ……あーもうトイレですよトイレ!だからついてこられても困るんです」
「な、なんとそうだったか……」
「わかってくれたらいいんですよ」
「ならなおさら無防備になるではないか!?何かあってからでは遅いんだ……せめて離れたところにいさせてくれ!!」
「な、なんでそうなるんですか……!?」

「……じゃあ向こうで済ませてくるので、司さんはここで待っててください。これ以上近づいたらみんなに言いふらしますよ」
「人聞きの悪いことを言うな!」
(まったくなんでこんなことに……さっさと終わらせよう)
シィィィィィィ…
(な、なんだか夜の森って静かだから音が響く気がするな……これ司さんに聞こえてないよね?)
シィィィィィィ…
(うぅ、なんか凄く恥ずかしくなってきた……!)
シィィィィィィ…

「お、お待たせしました。それじゃあ戻りましょう」
「おう!無事に済んでなによりだ!」
「……ちなみに何か聞こえてませんでしたか?」
「ん?特に変わったことはなかったが……」
「そうですか。ならいいんです」
「うむ。待ってる間、ふと雫のことを思い出していたなぁ。オレ達がここに来てしばらく経つし、志歩に会えず寂しい思いをしてるだろう……」 
「ちょっと待ってください、なんで急にお姉ちゃんが出てきたんですか?」