「んあ…おはよう…って冬弥？なんでオレの部屋に…」
「ふふ、サプライズだ。誕生日おめでとう、彰人。今日は2人で出かける約束をしていただろう？」
「ああ、そんな約束してたっけか…ん？今日ってオレの誕生日だったか？」
「彰人、時間は待ってくれないぞ。早く出発しよう」
「わかったわかった……着替えるから家の外で待ってろよ」
「うお！ここのパンケーキ、今まで食った中で一番うめえぞ！」
「そうか…ちゃんと美味いか、彰人。よかった」
「なんで冬弥が喜んでんだよ。ってか、冬弥は食べないのか？」
「俺はいい。さあ次はライリーパークinシブヤだ。食べたら出発するぞ、彰人」
「わかったから急かすなって…」
「ふぅ…疲れたな、彰人。もう時間も遅いし今日はここに泊まっていこう」
「ここって…ラブホテルじゃねーか！あのなぁ冬弥、そういう冗談はやめてくれって何度も言ってんだろ？」
「本気だ、彰人。俺はお前のことが…」
「わりぃけどオレはホモじゃねえ。それに冬弥も知ってんだろ？オレが暁山と付き合ってるっつーこと」
「…彰人。まだ暁山のことを憶えて…」
「あと会話の度にいちいち名前を呼んでくるのも気色悪いからやめろよな」
「それは…仕方ないだろう。名前を呼ばないと彰人は俺を認識できないから」
「何わけわかんねーこと言って…」
「…ふう、今回も失敗だな。誕生日ではやはりダメか。次はクリスマスあたりで…」
「おい冬弥、黙ってないで説明を…」
「おやすみ、彰人」
「青柳くん、最近学校に来てないんだって…咲希ちゃんは何か知ってる？」
「こないだ家に様子を見に行ったけど、部屋から出てきてくれなかったよ…とーやくん、大丈夫かな…」
「そっか…1年前に東雲くんが事故で亡くなってからずっと心ここに在らずって様子だったし、心配だな…」
「必ずお前を振り向かせてみせる。たとえ何年かかったとしても」
🧠「………」
「おはよう、彰人。よく眠れたか？」
🧠「………」
「ふふ、サプライズだ」
🧠「………」
「メリークリスマス、彰人」
