あ透明牌村の謎
2011年6月某日

私達はネットで噂になっている「あ透明牌村」へ行くことになった
なんでもその村の住人は「あ透明牌」としか言わないらしい
車を走らせること5時間10分、某県の山奥にあ透明牌村は実在した
バレないように隠れながら移動していると住人が会話をしている
「あ透明牌?」「あ透明牌!」
なんと、あ透明牌だけで会話が成立しているではないか
噂は本当だった、もう用はないし気味が悪いので帰ろうとした時メンバーの一人が物音をたててしまった

その瞬間住人たちが怒り狂った顔で「あ透明牌!」と叫びながら襲いかかってきた
私達は全力疾走で逃げ、車に乗り込んだがエンジンがつかない
あたふたしていると前からグラサンをかけた60歳ぐらいの爺さんが走ってくる
もう駄目だ!と思った瞬間、信じられない言葉が聞こえたのだ
「馬鹿やってんじゃないよ、村潰れちゃうよ」
言葉の内容より「あ透明牌」以外の事を喋れる事に驚いた私達は、村を後にするのだった

今思えばあの爺さんは村長だったのかもしれない
彼が何故あのような村を作ったのかは定かではないが、人を引きつける不思議な魅力があったのは事実である
とにかく、あ透明牌村は実在した
彼らたちの聖域を邪魔するのは私達だけで十分だろう