そもそもコンピューターゲームはローグやウィザードリィが流行った黎明期においては、完全な大人、マニア向けの市場でした。
その後、任天堂はファミコンによって、子供とファミリー層向けのコンピューターゲームという市場を開拓して成功しました。

ハード戦争が始まります。

スーパーファミコンの時代にはPCエンジン、メガドライブなどがこのもっともボリュームの厚いファミリー層を狙って攻勢をかけて失敗します。
PCエンジンは今となってはオタク向けのハードとして知られていますが、それはあくまでもハード後期の苦肉の策で、初期ではキッズ向けの作品が数多く出ていたのです。
しかしPSやPS2の時代になると、バイオハザードなど、明らかにファミリー層向けでないソフトが大ヒットしはじめます。
これはファミコン世代の子供が成長したためであり、ゲーム業界はこのアダルトチルドレン層を無視できなくなります。
この頃においてハード戦争の勝利とは、ファミリー層とアダルトチルドレン層の獲得でした。
PS3の時代になると、このアダルトチルドレン層は成人してしまいます。そうすると、その趣味、嗜好はマニア、大人向けに独自に続いてきたPCゲームのタイトルと一致し、コアゲーマー層として合流することとなります。
象徴的な出来事が、「PCゲームからの刺客」Xboxの参入でしょう。
この頃のPC市場の二大ボリュームゾーンは、コアゲーマー層とファミリー層となります。
この頃任天堂はWiiの発売で、明確に自らの育てたコアゲーマー層との決別をはかります。
ソニーはファミリー層取り込みを続けようとしますが、WiiUの失敗によるファミリー層ハード不在の時期であっても、PSはファミリー層を取り込めませんでした。コアゲーマー向けの設計思想のハードは、ファミリー層に受け入れられない時代になったのです。

現在、コンピューターゲーム業界は三分されています。

ごく少数のエンスージアスト向けのハイエンドPCゲーム市場
カジュアルにPCゲームを楽しみたい、PS、Xboxの市場
任天堂によるファミリー層市場

どれも無視できない市場となっていますが、それぞれのハードはお互いの市場を喰い合わなくなっているのです。
任天堂信者はハイエンドPCを買えないくせにとPSを煽りますが、無意味です。
ゲーム機に10万は出せないという層はこれからも多数を占めるでしょう。
そしてPS信者は任天堂の低性能を笑いますが、これにも意味がない。演算性能よりファミリー層向けの他の機能に特化してるのだから。


ハード戦争は終わったのです