寝る前に一つ思いで話をしたい
うちは田舎の地元ではそこそこ裕福な家だったんだ
中学はもちろん私立だったし、東京に憧れてたから高校は
日本でも有数の都内のお坊ちゃん校に進学したんだ
入学してからは如才なく友人関係、学業、部活共にこなしたよ
さほど周りの連中と格差は感じなかった
しかし、高二の時の海外への修学旅行の時にそれが一変した
うちの高校は一学年、30人くらいの少人数制だったんだが
その中には外交官の息子や老舗の旅館、和菓子屋、在日の複数パチ屋経営や中小企業の跡取りなども数人いた
その時の修学旅行の小遣いは確か10万くらいが目安だったんだが、そいつらはなんと一様に親のクレカ持参で来やがった
限度額がいくらのものだったかなんて聞きたくもなかった
そもそも当時の俺はクレカの存在なんてよく知らんかったいや親だってクレカなんて持ってなかったと思う
その時、俺は今は平等に接せられても卒業したら血へど吐くくらい努力しても対等になることは不可能だと察したよ
そして、人生は生まれがすべてとも確信した
人生をポーカーに例えたら俺は確かにカードが配られた時、7のワンペアくらいだったかもしれない
でも、彼らは最低スリーカードは揃ってた
これが俺の人生観を形作った最初で最後の体験だ