前出の業界関係者は番組への批判に対しこう“反論”するのだ。

「日本人の物の考え方の尺度は『すべて外国にならうべし』という固定観念がある。『アメリカのチャリティー番組のタレントはタダで出ているの
に…』と、見てもいない海外の番組を持ち出して批判の根拠にしようとしていますが、では、仮にあなたが『24時間番組に出てくれ』と言われて、タダの一銭ももらわずに結構と言える自信はあるのかとお聞きしたいですよ」

 制作費がゼロで番組は作れるのかと問題提起するこの関係者は、さらに、こうも実情を明かす。

「慈善事業そのものを番組にしようとして、各地のボランティア活動を放送しても人々は見てもくれないでしょう。現に、戦争特番として毎年シリア
スなドラマやドキュメンタリーがオンエアされていますが、いずれもひどい時はゴールデンタイムで5%という惨たんたる数字が続いているわけです
。『24時間テレビ』のアンチテーゼとして始まった『27時間テレビ』(フジテレビ系)が募金を募っても誰も身を削らないでしょう。
冷徹な言い方かもしれませんが、感動は何か行動を起こす一番の“装置”ともいえるんですよ」