【東京】
任天堂が人気ゲーム機「ニンテンドースイッチ」の新バージョンを来年にも発売する計画であることが分かった。
販売の勢いを維持する狙い。
サプライヤーや事情を直接知る複数の関係者が明らかにした。

2017年3月に発売されたスイッチの販売は依然堅調だが、予想以上の売り上げを見せた初年度の勢いは収まった。
任天堂の株価は昨年急騰したものの、今年は株式市場全体の伸びを下回っている。
同社は旗艦製品の競争力が失われないよう、新型スイッチの発売で素早く手を打つ。

事情に詳しい関係者らによれば、新型スイッチのハードウエアおよびソフト面での機能や、それを実現させるためのコストについては現在も協議が続いている。
現行のスイッチはローエンドのLCD(液晶ディスプレー)を搭載しており、そのアップグレードも選択肢の一つだという。

高品質のディスプレーを搭載すれば画面はより明るく薄くなり、バッテリーの消費も抑えられる。
だがアップルのiPhone X(アイフォーン・テン)シリーズに搭載された有機ELパネルは採用されない見込み。

関係者によれば、新型スイッチは2019年後半、早ければ夏にも投入される可能性がある。
任天堂の広報担当者はこの件についてコメントを差し控えた。 

任天堂によると、昨年のスイッチの販売開始から今年6月30日までの販売台数は1970万台。
これは現世代で最も人気のあるソニーの据え置き型ゲーム機「プレイステーション(PS)4」に引けを取らない数字だ。
スイッチは据え置き機としても携帯機としても利用できる。

任天堂は2019年3月期に2000万台のスイッチを販売するとしている。
アナリストらは年末にかけて投入される「大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL」などの人気ソフトが予定通り発売されれば、目標に近い数値は達成できると予測する。

任天堂代表取締役フェローの宮本茂氏は2月、スイッチのライフサイクルを通常よりも長くする意向を示していたため、来年の新型スイッチ発売以降もアップデートは続く可能性がある。

新型スイッチの機能は多くが現行機と共通するものになり、既存のスイッチ向けソフトにも対応するとみられる。

一方、各ゲーム企業や業界は携帯型ゲーム機「ニンテンドー3DS」の展開について、任天堂がどのような判断を示すかにも注目している。
任天堂は子供のユーザーにとって3DSは安全で低価格な選択肢だとし、今後も販売を続ける意向を示してきた。
だが3DS向けに発売される新作ソフトは減少する一方で、「ポケモン」などの人気フランチャイズは今年からスイッチ向けに販売されている。