>>33
https://www.jp.playstation.com/blog/detail/7892/20181129-psclassic-tekken3.html
プログラマーたちによる全体的かつ簡易的な圧縮技術だけでは『鉄拳3』を移植できないことがわかりました。
例えば、アニメーション全体を一律20%以下に圧縮しても、なお入りきらなかったんですよ。
しかも、圧縮するとデータが劣化して、アニメーションが震えてしまう。ただ立っているだけでも震えるし、パンチを繰り出してもグラグラと揺らぎます。

すると、プログラマーが全てのキャラクターにおけるひとつひとつのアニメーションに対して、圧縮率を決められる基礎ツールをつくってくれました。
全てを一律に圧縮すると、クオリティが下がりますからね。
カッコよく見せたいパンチやハイキックなんかは15%に圧縮しよう、中間モーションを挟んでいるアニメーションは8%でいいや、というように、ひとつひとつ確認しながら調整できるんです。

さらに、メモリを使わずにアニメーションリファインするツールもつくってくれました。
圧縮によってアニメーションは絶対に劣化するのですが、対戦格闘ゲームってポーズがとても重要じゃないですか。
例えば、パンチは伸びていなければならないし、キックは足がまっすぐになってほしい。
アニメーションデータの圧縮率やメモリ占有率とは関係なく、指定したフレームにきたらCPUの処理でグイッと骨を引っ張って伸ばすことができるんです。
CPUはわずかに食うけど、メモリは食わない。

なるほど、これはすごい便利ツールだ。
......ところで、1体のキャラクターには何千というアニメーションがありますが、誰がこのツールでもってこの作業をするんです? と聞いたら、「もちろん原田君がやるんでしょ?」みたいな(笑)。

キングのミドルキックは重たい感じだから、6%に圧縮すると膝の部分が曲がってしまう。
ここは足を伸ばしたい......あ、こんなときのための伸ばしツールだ! ということを、ひとつひとつやっていくわけですよ。
もう、こんなのイチからアニメーションをつくる方がまだ楽しいに決まってる(笑)。