『グラブル』が家庭用ゲーム機に進出する意義

――今回、新作『グランブルーファンタジー ヴァーサス』と、『グランブルーファンタジー Relink』の続報が併せて発表されました。『グランブルーファンタジー』は、どうしてここまで家庭用ゲーム向けに力を入れることになったのでしょうか?

福原 まず、会社としてゲーム業界を元気にしたいという思いがある、というのが理由のひとつです。その中で『グランブルーファンタジー』を持ってきたのは、
サイゲームスでもっとも大きなIPであり、ファンタジーRPGということで家庭用ゲーム機との親和性が高い、という条件が揃っていたことが大きいですね。

――さて、ここから各タイトルのお話をうかがいたいと思います。まずは『グラブルVS』について。『グラブル』の格闘ゲームを夢想していたファンも多かったと思うのですが、「まさか本当に出るとは」と驚いたと思います。なぜ、格闘ゲームを出そうと思ったのでしょうか?

福原 いちばんの理由は、サイゲームスとして“esports”の発展に寄与していきたいと考えていたからですね。すでに『シャドウバース』で毎月のように大会を開いていたりしますが、
esportsと言えば格闘ゲームは外すことのできないジャンルですし、それを『グランブルーファンタジー』でやることで、プレイヤー自体の増加もそうですし、観戦だけでも楽しみたいと興味を持ってもらい、
esports自体の認知度を上げるられるのではと考えたのが発端です。

――今回発表された2タイトルは、いずれもプレイステーション4向けということですが、ほかのハードで展開する予定はあるのでしょうか?

福原 Steam(PC)向けには展開したいと考えています。プレイステーション4は弊社では『Project Awakening(仮題)』など、すでに内製で開発が進められているタイトルもありますし、会社として今後もコンシューマーに力を入れていこうという流れは確実にあります。

――家庭用ゲーム機に向けてスマートフォン発のIPを持ち込む際に、移植ではなく完全新作でやろう、というのはどういう理由なのでしょうか?

福原 もともとソーシャルゲームの仕組みというのが、モバイルで遊ぶために特化した構造なので、それと同じことを家庭用ゲーム機でやっても同じおもしろさを味わうことは難しいんです。
モバイルにはモバイル、家庭用ゲーム機には家庭用ゲーム機のよさがあり、それぞれを活かしたものにしたいと考えで完全新作で進めさせていただいています。
https://s.famitsu.com/news/201812/15169322.html