自分ではない何者かになる。そんな夢を見たことがあるだろうか?

その夢の中で私は考える。これは自分なのか、自分ではないのか。

夢が現実なのか、現実が夢なのか? 私が辿り着いた答えはひどく単純だ。

『どちらでもいいではないか』

どちらが真実なのか――ではない。どちらも真実なのだ。

『バルドゥークの檻』本文より〜