工業製品の「生産出荷台数」の重要性

資産価値が高く生鮮品と違い各業者の倉庫へ長期間溜めておくことができそうな工業製品は、
初期において「生産出荷数」「出荷数」「販売数」を厳密に区別する傾向があった。 首記の通り生産出荷数は完成した商製品に対する数であり、
旧来の流通システムでは消卸売業者へ出荷しない限り資産として積み上げられる粉飾状態となるからである。

しかし、近年の生産拠点のグローバル化、
メーカーによる直接販売方式の拡大や流通方式システムの多様化、
ネット通販などの流通革命により、
製造業では卸売を経由しない複雑な販売形式が台頭し主流となった。
このような販売ルートを積極的に採用しているメーカーにおいては、
従来の定義による「生産出荷数」と「出荷数」の管理と把握、区別が不可能となった。
またアメリカにおいて、実体のない製品の「出荷」による「資産の付け替え」が多発し、
メーカーによる業績の粉飾や資産に対する印象操作、株価対策への懸念から、
あえて「生産出荷数」を公表することで透明性を高めるケースが増えている。