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──(笑)。いまゲームが糸井さんにグッとこない理由は?

糸井 難しくて本気にならないとできないものと、ずっと『テトリス』のバリエーションでしかないんじゃないのというものと、そのどっちも要らないんですよね。
僕は掛け合いがやりたいんですよ。僕が「はーん、ははははっ」って言ったら、「はーん、ははははっ」と返る。そういうものを遊びたいわけで、そういうことをさせてくれるものが本当にないですよね。

『ピクミン』にしても、最初は簡単でも、だんだん囲碁のようになってきて、「これオレ、ほかのことをやってなきゃいけないんだよね、いま」となってしまって途中で脱落しますし、モバイルもしなきゃならないというものでもないし。

──掛け合いが足りないんですね。

糸井 ファミ通とかゲームを作ればいいんですよ。「あれがおいしい」だの、「マズい」だの、グルメみたいなものでしょ? そういう人は1回、「おまえが店をやってみろよ」と言われればいいんですよ(笑)。

──やっているんですけどね(笑)。

糸井 つまらなかったんでしょ(笑)。でも本当にどこがダメかがわかるだけでも、「ファミ通が作ったゲームはどこがダメだったんだろう?」とほかの人にとってもいい資料になりますよね。

──帰ったら「糸井さんにこう言われました」としかるべきところに話してみます。

糸井 KADOKAWAの歴彦さんとか、川上(量生・カドカワ社長)くんとか(笑)。DWANGO・ファミ通合同でテントを張って合宿してさ、ゲーム作りのキャンプをやればいいんですよ。内部の人が取材に来たら、「それはまだ言えない」とか断ろう(笑)。

──先ほどの掛け合いというものをもう少し具体的に教えていただけますか?

糸井 あなた方がもうちょっとおもしろいことを言えば、それは僕との掛け合いになりますよね。いまは質問をされて、おもしろい球を投げている状態。そちらからもいい球がくれば、もっとコミュニケーションになりますよね。
コミュニケーションそのもののおもしろさですよ。だから奥さんが来るとかすると、もっとおもしろい掛け合いになった(笑)。



糸井 ファミ通はオトナを取材できない媒体なんですよ。ゲームの話をたとえば桜井(政博)くんとするんだったら大丈夫でしょ? 
僕はオトナなので、オトナを取材できるようにならないと。そこはこれからの課題ですよ。あ、俺、いいこと言ったよ? キミたち自身はオトナなのに、残念だねえ。

https://s.famitsu.com/news/201511/21093633.html