https://jp.wsj.com/articles/SB11082206419117534460204585360522388376134
東京】任天堂は、家庭用ゲーム機「ニンテンドースイッチ」の生産の
一部を中国から東南アジアに移管する。米国が中国製電子機器に関税
を課す可能性があり、その影響を和らげる狙いがある。任天堂のサプ
ライチェーンの関係者らが明らかにした。

 こうした動きは他社でも広がっており、台湾の電子機器受託製造大手
鴻海(ホンハイ)科技集団(フォックスコン・テクノロジー・グループ)
は11日、アップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」の生産を
必要に応じて中国国外に移管する用意があると明らかにした。シャープ
もパソコンの生産拠点を中国から台湾またはベトナムに移すことを検討
している。

 任天堂はこれまで、委託企業の中国工場でゲーム機器を生産しており
2017年に投入した「ニンテンドースイッチ」もその1つだった。

 ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は3月、任天堂が年内に
「ニンテンドースイッチ」の新型モデル2種類を発表する計画だと報じた。
一方は現行モデルと似ているが強化された部品を搭載。もう一方は
価格を抑えたモデルで見た目も現行モデルとは異なるという。

 サプライチェーンの関係者によると、任天堂は現行モデルに加え
新型モデル2種類の生産を既に開始しており、そのうちの一部は
東南アジアで生産している。近く正式発表する用意ができつつ
あるようだ。関係者は具体的な数には触れなかったが、最大市場で
ある米国での発売時に十分な量を確保しておきたいと任天堂は考え
ていると述べた。

 任天堂の広報担当者は、新型モデルについての言及は避けた
上で、「現在スイッチの生産はほぼ全て中国で行っている」
とした。また、製品の生産地については以前から、さまざまな
選択肢を検討しているとコメントした。