出版不況の中、全国の書店に本を届ける取次会社が苦境に陥っている。業界最大手が昨年度決算で
19年ぶりの赤字となるなど、流通構造の変化に対応が追いついていない。
日本の出版文化を支えてきた流通網がほころび始めている。


日販、トーハン両社とも経営の立て直しに、雑誌配送に伴って出版社から支払われる
「運賃協力金」の引き上げを要請している。日販は150以上の出版社が前向きに検討しているとの回答だったといい、
トーハンは内容は非公表だが、235社から回答を得たという。

 さらに、出版社に書籍の値上げを求めていて、読者の負担増につながる事態も予想される。
ただ、出版社側からは「寡占状態にあぐらをかいて、新たな収益源を見つけてこなかった。
今頃泣きつかれても困る」(大手出版社幹部)と不満もくすぶる。