クラウドゲーミングがハード戦争を終結させる
――CES2020でプレイステーション 5のロゴが発表されましたが、PS5に期待することなどあれば教えてください。

吉田氏:  どちらかというと、PS5というよりも、これから出てくるNEXT Genのコンソールについてですが、”コンソール”という言葉は、次世代で終わりになるのかもしれない、と個人的には予想しています。
もうクラウドゲーミングの流れは止められないと思っています。
ただ、現時点ではラストワンマイル(ユーザー個人のネットワーク通信環境)問題があって、5Gが普及しない限り、本当の意味でのクラウドゲーミング体験にはならないと予測しています。
セッション数が少ないうちは良いですが、セッション数が増え、かつネットワーク全体が重くなるピークタイムには、まだ本当の意味で耐えられないだろう、と。
回線がまだ細い、莫大なレンダリングコストがかかる、この2つが現在のボトルネックで、後はもう時間の問題かなと思っています。

――1つのプラットフォームの寿命が10年程度と考えると、次が最後になるかもということですね。

吉田氏:  そうなのかなと考えています。ただいち早く今クラウドに取り組んでいるところでも、今すぐにクラウドがすべてにとって代わるとは当然思っていないでしょうし、ユーザーを増やせば増やすほど品質が悪くなるというジレンマも抱えています。
ただ、将来的には間違いなくそうなってくるからこそ、今は逆にどのプラットフォーマーさんもハイエンド、ハイスペックで最高のものをという部分に集中されていると思います。そこは楽しみですね。

 もう1つ、ハード戦争がなくなることは目に見えているので、次世代中に垣根はできるだけなくしてほしい、と個人的には思います。
Microsoftのフィル・スペンサーさんと以前色々とディスカッションをしたんですが、フィルさんは「ゲームはゲーマーのものだ。
それはハードメーカーが決めることではなく、我々はゲーマーが最高のゲーム体験をするための手伝いをしているんだ。だからどんなプラットフォームで遊んだっていいじゃないか。
ゲームをたくさんの人が遊んでくれることが、最終的には自分たちの利益になるんだ」とおっしゃっていて、その通りだと思います。時代も変わりました。

 フィルさんのこのセリフは、現世代の苦境があったから言えるセリフなのかもしれないですが、先の世代が明らかにハード戦争ではなくなるのは目に見えているのだから、今からそうしたほうがいいんじゃないかなと。
だから次世代ハードでは、ローンチから少し経ったらもうどのプラットフォームからでもゲームがスムーズにクロスプレイできるということに期待したいです。

――少しずつハードの壁が崩れてきている感じはありますが、まだ特定のハード限定というものは多いですね。

吉田氏:  同じゲームで遊んでいるのに、ハードの垣根があって一緒に遊べないというのを、とにかく全部のゲームでなくして欲しいです。




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