>>675
HWRTの開発スタート時の考え方なのかもね。

[GDC 2018]西川善司の3DGE:DirectX Raytracingにおける最適解は「レイトレー
シングを行わないこと」!? Futuremarkが語るその真意
https://www.4gamer.net/games/033/G003329/20180323164/

>「ラスタライズ法レンダリングを主体として,ワンポイントリリーフで
>レイトレーシングを活用せよ」

>レイトレーシングらしいレイトレーシングは極力使わない

まとめよう。「リフレクション以外のレイトレーシングはやらない」「リフレクショ
ンのレイトレーシングをやるにしても,軽量な手法で代用できるときはそちらを優先
」という割り切った実装にもかかわらず,デモを見るとレイトレーシング法の効能を
ちゃんと見て取れるというのが,FuturemarkのDXRデモにおける,真の見どころだ。

華々しく登場したDXRをこうも消極的に使うのはどうなのかという意見はあると思う
が,実際問題として,すべての3Dゲームグラフィックス要素をレイトレーシングに
置き換えるのは,現状というか当面は無理と断言してしまっていい。現実的な活用
路線が,むしろFuturemarkの提唱しているような消極的なものになることはまず
間違いない。

3Dゲームの場合,PCなら搭載するグラフィックスカード,据え置き型ゲーム機で
あればプラットフォームごとの性能に応じてグラフィックス表現の品質を抑えざる
を得ないケースがままあるわけだが,その場合も,従来型ラスタライズ法のレンダ
リングパイプラインはほぼそのままにしておけて,かつレイトレーシング要素は容易
に有効/無効を切り換えられるFuturemark的な実装のほうがチューニングしやすい
はずだ。

もちろん,このあたりはゲームスタジオごとに考えが違う部分ではあるので,今後,
さまざまな実装スタイルの提案が生じるはずだが,「レイトレーシングに夢見がち」
な事態に陥らないよう,最初から現実的な活用法を見せてくれたFuturemarkの功績
は大きいと思う。