DLSS搭載で終焉する据え置きゲーム機の優位性
http://www.ace-sec.co.jp/daily/analyst/210408r1000.pdf

@ブルームバーグが、任天堂の次期「Nintendo Switch」にOLED(有機EL)とDLSSが搭載されると報道した。
本レポートでは、報道が事実という前提で、これら最新のテクノロジーを搭載する目的を考察する。

A現行の「Switch」にはアモルファスTFT液晶が搭載されている。
発売された2017年当時でも、LTPS(低温ポリシリコン)液晶が一般的だったことを考えると、かなり古い世代の出力機器である。
任天堂は「枯れた技術の水平思考」に代表されるように、大量かつ安価に調達できる部品を使う傾向があることを考えるとOLED採用は奇異に見えるが、
古川社長になってから視覚情報を重視する傾向が強まっていること、OLEDの価格が低下していることを考えると十分あり得ると見ている。

Bブルームバーグ以外でも、次期「Switch」は4Kに対応するとの報道が多い。
しかし、大量のアセットを表示するオープンワールドやアクションゲームを4K、60フレーム/秒で表示するのはSwitchのサイズでは非常に難しい。
また、テレビ側にはアップコンバート(以下アップコン)機能が搭載されているため、Switch単体には単純なアップコンは不必要である。

Cおそらく、4K対応に対する回答がDLSSだと思われる。DLSSとはDeepLearningSuperSamplingの頭文字をとったもので、
高解像度、ハイポリゴンのアセットと低解像度、ローポリゴンのアセットを深層学習(ディープラーニング)させることで、
レンダリング解像度が低いまま、表示解像度を大幅に引き上げるもので、エヌビディアによるとDLSSのオーバーヘッドはわずか25%増しにすぎないという。

Dサードパーティとディスカッションすると「Switch」の性能不足でAAAを出せないことに対する不満が強い。
DLSSを使えば、テレビ接続時にAAAタイトルを720P程度の描画で4K出力ができるはずである。
こうなればAAAタイトルを出せることになる。AAAタイトルをSwitchサイズで実現できることは、大型の据え置きゲーム機の存在意義が問われる事態になるだろう。
まさしく破壊的イノベーションとなる潜在力を持っている。

(´・ω・`)