>>81
そもそも吉田本人がスケープゴートのつもりで矢面に名乗り出たんだってさ

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4Gamer:
 その手段として,本来ならば苦手な表舞台に出る決心をしたということですか? 具体的には,どういう意図があったのでしょうか。

吉田氏:
 旧FFXIVの問題点を洗い出し,修正を加えるためには,まず悪い基礎になっている部分を壊すしかありませんでした。プロデューサー兼ディレクターとして総指揮を執ることになったので,作ることに比べ基礎を壊すことはとくに難しくありません。
しかし,それで「開発的にはまっとうな時間で」問題点をなんとかできても,実際にそれを結果としてパッチでお届けするには時間がかかる。僕は「立て直しにもタイムリミットはある」と思っていたので……精神的な予防線を張りました。
 あまりに修正までの時間が長く,プレイヤーの方が待ちきれなくなった場合,自分が表に出ておくことで,「よく分からん吉田ってプロデューサーが散々引っ掻き回したけど,やっぱりダメじゃん」となってしまったとしても,
当時FFXIのディレクターとして人気のあった松井聡彦にバトンタッチして,パッチは松井の名前で出せば,盛り上がりは作れるかもしれないと。

4Gamer:
 それって,自分からスケープゴートに志願したということですか!?

吉田氏:
 僕が基礎を壊して修正し,コンテンツを作れる状態にしてさえおけば,松井の登場後,予定していたとおりのコンテンツが交代後に短い期間で実装されるので,プレイヤーの反応も「さすが松井だ!」となると考えました。僕は現場でそのまま指揮を執っても,
得られる結果に違いはありません。”なんとしてでも”という覚悟のひとつだったような気がします(笑)

4Gamer:
 それは……なんというか壮絶ですね。

吉田氏:
 こうしておくことはメンタル的にもとてもプラスでした。「最悪その手が残っている」と思えば短期間で大胆に動けるし,僕は先程も言ったようにもともとメディアで人気者になりたいわけではない。開発スタッフが僕の頑張りを知ってくれていて,
「また吉田と一緒にゲームを作りたい」と言ってくれれば,僕にとっては最大の褒め言葉です。今でもそう言ってもらいたい一心で,現場で必死に働いています(笑)

4Gamer:
 まんまヘイトを引き受けるタンクみたいで,滅茶苦茶カッコイイじゃないですか!!

吉田氏:
 ゲーム開発はパーティプレイですので,タンクも必要です(笑)。でも,みんなが努力してくれたおかげで,そんな最悪の手なんて使わなくて済みましたし,ほっとしています。

4Gamer:
 でも,万が一そのプランが発動していたら事情を知らないプレイヤーから見た吉田さんは完全に“戦犯”じゃないですか。それをまったく恐れなかったんですか?

吉田氏:
 そこは気にならないです。元通り引っ込んでゲーム開発を続けられれば,以前と変わりがありません。開発者の信頼を失わない限り,それで仕事がなくなるわけではないので。
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