株主に従順な男ジムライアン(´・ω・`)

謎のパブリッシャー「PlayStation PC」

PCゲーミングプラットフォームのSteamでは、各ゲームのストアページトップにその作品の「開発元」と「パブリッシャー」情報が記載されているのですが、Steamユーザーたちは昨今、PS版から移植されてきたPCタイトルのページに起きた、とある変化に注目しています。

たとえば『ホライゾン ゼロ・ドーン』のようなPS版移植タイトルには、これまで「PlayStation Mobile」というパブリッシャー名がついていました。しかし、今週のどこかの時点で、このパブリッシャー名が「PlayStation PC LLC」という聞き慣れない社名に更新されたそうです。

文字通りに解釈すると、これは「PlayStation専用ソフトのPC版をリリースする企業」と読み取れるため、今後のソニーのゲーム事業をうかがうヒントになるのではないかと話題になっています。

この社名についてVGCによると、今年の4月に「PlayStation PC LLC」という企業が登録されていることがCorporation Wikiで確認できます。登録者はSIEで、本社所在地は米カリフォルニア州となっています。

PS限定タイトルの移植が本格化か

昨年も、ソニーグループの2020年度統合報告書に「1st PartyタイトルのPCプラットフォーム向けのIP展開を強化することで、さらなる収益の確保を図っていきます」という一文があったことから、これまでPS独占だったゲームが今後は次々にPC移植されるのではと話題になりました。

これは一時的な出来事なのか、それとも長期的な変化を示唆しているのでしょうか。SIEのCEOであるJim Ryan氏は、2021年2月のGQとのインタビューで以下のように述べていました。

「幾らか事情が変わったのだと思います。2021年初頭、私たちは開発スタジオとそこで開発されたゲームが、かつてないほど良い状態にあることを実感しています。特に、PS4サイクルの後半では、当社の開発スタジオは素晴らしいゲームを制作していました。

このような素晴らしいゲームをより多くのお客様にお届けし、ゲーム開発の経済性を認識していただく機会はあるのですが、必ずしも簡単なことではありません。IPの質が向上するにつれ、ゲーム開発のコストはサイクルごとに上昇しています。また、コンソール以外のユーザーにも提供しやすいようになってきました。ですので、私たちの決断は非常に明快です」

一連の情報や発言を合わせると、かつてのPS版限定タイトルがPC向けに今後も次々と移植されていく展開が予想されます。これまでコンソール機を持っていないためにプレイできなかったタイトルがあるPCゲーマーの方々にとっては、今回のパブリッシャー名変更は朗報となるかもしれません。