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2021年10月05日
元ソニー幹部が「PlayStationヒット作をPC向けにリリースする」戦略について語る
https://gigazine.net/news/20211005-ex-sony-exec-playstation-hits-to-pc/
2019年10月までソニー・インタラクティブエンタテインメント・ワールドワイド・スタジオのCEOを務めていたShawn Layden氏がPlayStation系ラジオ配信「What's Up PlayStation」の中で明かしたところによると、当時のソニーには独占販売タイトルをPC向けに出すべきだという風潮が存在したとのこと。この風潮は「PlayStationを所有していないユーザーをどうやって獲得すべきか?」という問いの答えとして発生したもので、Layden氏は「私が在籍していた頃の戦略は、『新規顧客、新規ファンをおのずから取り込みにいかなくてはならない』」というものでした。新規顧客や新規ファンは我々のもとに来ないと決め込んでいるので、こちらから迎えに行ってあげなければいけません。では、こちらから迎えに行くベストな方法とは何でしょうか?その答えこそが、『当社の売れ筋のゲームを持って行く』という戦略です」と説明します。

この「PlayStationで売れ筋のゲームをPCに持って行く」という戦略について、Layden氏は「販売間隔を開ける」ことが重要だと語ります。独占販売の壁を破ったHorizon Zero Dawnを例に取ると、PlayStation4での発売は2017年2月でしたが、PCでの発売は2020年8月。これについて、Layden氏は「発売から18カ月、24カ月は経過しているタイトルで、もはや小売販売も行われていない状況でした」と述べ、PlayStation 4での売上がもはや見込めないためPCで販売しても構わないという論調があったと語ります。

以上の事例が示すように、Layden氏は「ファーストパーティータイトルのPlayStation・PC同時発売」はあり得ないと語っています。この見解はソニー・インタラクティブエンタテインメント・ワールドワイド・スタジオの現統括責任者であるHermen Hulst氏が2020年6月のインタビューで明かした内容とも一致します。当時Hulst氏は、PC版Horizon Zero Dawnの成功によってプラットフォームごとの販売戦略はどのように変化するのか、という質問に対して、「Days Gone」はPlayStation 4で発売された約2年後にPC版をリリースした件に触れて、「当社はPCゲーマーの皆様を大切にしており、それぞれのゲームを発売する適切な時期を検討していきます」と述べ、「販売間隔を開ける」という戦略を示唆していました。