https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF0911H0Z00C22A5000000/

発売6年目に入った任天堂の「ニンテンドースイッチ」が正念場を迎えている。半導体不足や物流の混乱で生産や配送に苦戦し、需要も「頭打ちになっている」(家電量販幹部)との声が増えてきた。歴史的なヒット商品なだけに次世代機などの戦略はとりわけ難しい。「スイッチの次」には3つのシナリオが浮かぶ。

任天堂は10日午後、2022年3月期の連結決算を発表する。スイッチの販売台数は前の期比2割減の2300万台前後だったもよう。半導体不足などの影響で十分な量を市場に供給できていない。巣ごもり需要や人気ソフト「あつまれ どうぶつの森」の大ヒットがあった前の期(2883万台)からの反動減も大きい。

23年3月期のスイッチ販売台数は2000万台前後の見通し。中国に生産拠点があるため上海の都市封鎖(ロックダウン)の影響も懸念される。10日に発表する23年3月期の純利益計画にも注目が集まる。

スイッチは累計で1億354万台(21年12月末時点)を販売し、異例のヒットとなっている。06年発売の「Wii」も累計1億163万台を販売したものの、5年目に失速した。ソフト販売も1983年発売の「ファミリーコンピュータ」の累計販売が約5億本なのに対し、スイッチは約8億本に上っている。